2018年(第60回)のグラミー賞の結果です。 ブルーノ・マーズがアルバム賞、レコード賞、楽曲賞の主要部門を独占。 合計で6冠に輝きました。 受賞対象となった作品は、レコード賞が「24Kマジック」、楽曲賞が「ザッツ・ホワット・アイ・ライク」、アルバム賞が『24Kマジック』。 2年前に「アップタウン・ファンク」でレコード賞を受賞したのに続く栄冠となりました。 このほか、ケンドリック・ラマーがラップ部門の楽曲賞、アルバム賞、パフォーマンス賞など、合計5部門を獲得。 主要部門のノミネートから漏れたエド・シーランも、ポップ部門で2冠となりました。(アワード・ウォッチ 小山守生)
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今年のグラミー賞では、
ラッパーのケンドリック・ラマーが最優秀レコード賞と最優秀アルバム賞でノミネート。
ラップ界の王御所ジェイZも、主要3部門で候補となるなど、ヒップホップ勢が躍進しました。
ブルーノ・マーズを含め、
主要4部門のノミネートの多くを黒人とラテンのアーティストが占め、人種の多様性が注目を集めました。
これまでグラミー賞の選考は、オーソドックスなポップやロックが有利だとされ、
ヒップホップ系を好む若い世代から批判を受けていましたが、
今回は、勢いのあるブラックミュージシャンたちが候補に入ってきました。
インターネット投票の導入など、選考プロセスを改革した影響かも知れません。
(2018年の「アカデミー賞」についてはこちら→)
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部門 | 受賞 | ノミネート |
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レコード賞 | ブルーノ・マーズ (Bruno Mars) 「24カラット・マジック」 (24K Magic) 動画→ 試聴(Amazon)→ |
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楽曲賞 | ブルーノ・マーズ (Bruno Mars) 「ザッツ・ホワット・アイ・ライク」 (That's What I Like) 動画→ |
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アルバム賞 |
ブルーノ・マーズ (Bruno Mars) 「24カラット・マジック」 (24K Magic) 試聴(Amazon)→ 動画→ ブルーノ・マーズの3枚目のアルバム。 2010年代の世界の音楽界において、最も幅広く支持された。 まさに王道をいく「超ポピュラー」なアルバム。 純粋に楽しめる作品。 完璧ともいえる9曲で構成されている。 1990年代のニュー・ジャックスウィングを再興させた。 モダンで懐かしさもある。 |
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新人賞 | アレッシア・カーラ
(Alessia Cara) 動画→ |
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最優秀R&Bソング賞 | 「ザッツ・ワット・アイ・ライク」 ブルーノ・マーズ 動画→ |
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最優秀ラップ楽曲賞 | 「ハンブル」 ケンドリック・ラマー 動画→ |
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最優秀ロック楽曲賞 | フー・ファイターズ 「ラン」 動画→ |
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最優秀ロックパフォーマンス賞 | レナード・コーエン
「ユー・ウォント・イット・ダーカー」(You Want It Darker) 動画→ |
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最優秀ロックアルバム賞 | ザ・ウォー・オン・ドラッグス 「ア・ディーパー・アンダースタンディング」 動画→ |
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最優秀ポップパフォーマンス賞(ソロ) | 「シェイプ・オブ・ユー」(Shape Of You)
エド・シーラン 動画→ |
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最優秀ポップアルバム賞(ボーカル) | エド・シーラン
「÷」(ディバイド) 動画→ |
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最優秀ラップアルバム賞 | 「ダム」(DAMN.) ケンドリック・ラマー 動画→ |
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最優秀ラップパフォーマンス賞 | 「ハンブル」(Humble) ケンドリック・ラマー 動画→ |
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最優秀R&Bアルバム賞 | 「24K マジック」 ブルーノ・マーズ 動画→ |
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2017年9月30日・・・選考対象の曲のリリース期限終了
2017年11月28日・・・ノミネート発表
2018年1月28日(日本時間1月29日昼間)・・・授賞式・結果発表
日本では、WOWOWで放送。 1月29日(月)の朝8:30から、2か国語の同時通訳で生中継。 夜の22:00からは、字幕版が放送されました。
「最優秀レコード賞」と「最優秀楽曲賞」のノミネートの事前予想です。最優秀レコード賞はアーティストら制作者を称える賞です。最優秀楽曲賞は作詞・作曲をした人を称える賞です。
曲名 | アーティスト | 動画 | 解説 |
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「デスパシート」 (Despacito Remix) |
ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー ft. ジャスティン・ビーバー (Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber) |
動画→
動画(ジャスティン・ビーバーのリミックス)→ |
「シェイプ・オブ・ユー」とともに、2017年を代表するメガヒット曲。Youtubeの再生回数が40億を超えた。 ジャスティン・ビーバーが歌う冒頭の部分以外は、歌詞がスペイン語となっている。 最優秀レコード賞または最優秀楽曲賞にノミネートされれば、英語以外の曲として1988年の「ラ・バンバ」以来30年ぶりとなる。受賞を果たせばグラミー史上初の快挙。 |
「ハンブル」 (HUMBLE.) |
ケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar) |
動画→ | 最優秀アルバム賞で最新作「Damn」(ダム)のノミネートが有力視されているケンドリック・ラマー。 「Damn」からの最初のシングルで、大ヒットした「ハンブル」も、有力候補となる可能性がある。 「アルバム賞は、『÷(ディバイド)』のエド・シーランとケンドリック・ラマーの一騎打ちになる」との予想も多い。 |
「シェイプ・オブ・ユー」 (Shape of You) |
エド・シーラン (Ed Sheeran) |
動画→ | アメリカをはじめ世界44か国で1位になったスーパーヒット曲。
米国だけで230万枚以上売れた。ビルボードのシングルチャートで12週1位。33週間にわたってトップ10入りし、これまでの記録を塗り替えた。 最優秀レコード賞では最有力候補と見られている。 一方、楽曲賞では、この曲ではなく別のシングル(キャッスル・オン・ザ・ヒル)がノミネートされる可能性もある。 収録アルバム「÷(ディバイド)」は、最優秀アルバム部門での受賞が有力視されている。 エド・シーランはイギリス出身。2016年に「シンキング・アウト・ラウド(Thinking Out Loud)」で最優秀楽曲賞を受賞している。 |
「ザッツ・ワット・アイ・ライク」 (That's What I Like) |
ブルーノ・マーズ (Bruno Mars) |
動画→ | 近年のグラミー賞ですっかり常連となり、2016年には「アップタウン・ファンク」で最優秀レコード賞を獲得したブルーノ・マーズ。 2018年は、この曲と、アルバム「24K Magic」でのノミネートが有力。 |
「1-800-273-8255」 | ロジック ft アレッシア・カーラ、カリッド (Logic ft Alessia Cara, Khalid) |
動画→ | 米国ラッパーのロジックのヒット曲。曲のタイトルは、アメリカの自殺志願者向けの相談窓口の電話番号で、自殺防止を訴える歌詞となっている。 |
「イシューズ」 (Issues) |
ジュリア・マイケルズ (Julia Michaels) |
動画→ | アメリカ人歌手ジュリア・マイケルズのデビュー曲。マイケルズは、新人賞にノミネートされるかも注目されている。 |
「ミリオン・リーズンズ」 (Million Reasons) |
レディー・ガガ (Lady Gaga) |
動画→ | 音楽ファンだけでなく、評論家たちからも称賛された美しいバラード。 とりわけ、ガガ自身のこれまでの人間関係(男女関係)がベースになっているという歌詞への評価が高い。 最優秀楽曲賞でのノミネートが有力視されている。 |
「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ~私にこんなマネ、させるなんて」 (Look What You Made Me Do) |
テイラー・スウィフト (Taylor Swift) |
動画→
歌詞付き |
グラミー賞の投票者層からの支持が厚いとされるテイラー・スウィフトの新作。 これまでの自身のヒット作から大胆に方向転換し、ダークかつ斬新な曲および歌詞となっており、高い評価を得ている。商業的にも大成功した。 |
「フィール・イット・スティル」 (Feel It Still) |
ポルトガル・ザ・マン (Portugal. The Man) |
動画→ | ポルトガル・ザ・マンは、米アラスカ出身のオルタナ・ロックグループ。 実力派バンドとして、デビュー以来10年以上にわたり地道な活動を続けてきた。(2013年にはFUJIロックフェスティバルに出演)。 そんな彼らの8枚目のアルバムからのシングルカットされた本作は、いきなり超メジャーなヒット曲に。米国で100万枚売れた。 グラミー会員のロック支持層から票を集めそうな一曲。 |
「アイ・フィール・イット・カミング」 (I Feel It Coming) |
ザ・ウィークエンド ft. ダフト・パンク (The Weeknd ft Daft Punk) |
動画→ | カナダ人歌手ザ・ウィークエンドと、2014年に「ゲット・ラッキー」で最優秀レコード賞に輝いたダフト・パンクのコラボ。 ゲット・ラッキーのスローバージョンともいえる本作は、評論家の厚い支持を得て、商業的にも大成功した。 |
「プレイング」 (Praying) |
ケシャ (Kesha) |
動画→ | ゴルペルっぽさのあるバラード。ケシャ自身が作詞・作曲に名を連ねている。ケシャがセクハラ訴訟で訴えた音楽プロデューサーに対する許しと怒りを表現した曲だとも言われている。 2010年にデビュー曲「ティック・トック」で大ブレークしたケシャは、2作目のアルバムで失速。 摂食障害にも苦しんだ。本作を収録した3作目のアルバム「レインボー」の成功により、復活を印象づけた。 |
「サイン・オブ・ザ・タイムズ」 (Sign of the Times) |
ハリー・スタイルズ (Harry Styles) |
動画→ | ボーイバンド「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズのソロデビュー曲。 バラード。曲名の意味は「その時が来た」というようなニュアンスで、生命の終焉についての歌だとされる。 |
「サムシング・ジャスト・ライク・ジス」 (Something Just Like This) |
チェインスモーカーズ&コールドプレイ (The Chainsmokers & Coldplay) |
歌詞付きPV→ | EDM系バラード。コールドプレイはグラミーに強い。 |
「アイ・ドント・ウォナ・リブ・フォーエバー」 (I Don't Wanna Live Forever) |
ゼイン(ZAYN)&テイラー・スウィフト (ZAYN & Taylor Swift) |
動画→ | 映画「フィフティ・シェイズ・ダーカー」のサントラの曲。バラード。 |